旅立つ恋人

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 テオと、マリー、二人はいつもの様に、二人が小さい頃から遊んでいるマリーの家の裏の、小高い丘にいました。    「なあマリー、今度また少し長い航海に行かなきゃならない。  だから、そのう・・・  結婚してほしい。 その航海から帰ってきたら、僕の奥さんになって欲しいんだ。」  言い終わると同時に、マリーはテオに抱きつき  「嬉しい。しばらく逢えないのは寂しいけど、その間に、もっと綺麗になって待ってるね!  いつくらいに帰ってくるの?」  そう聞く恋人にテオは 「今度の航海は長いから、秋を過ぎ、冬を越え  そうまた、この丘に矢車草が咲く頃には、きっと帰ってくるから、矢車草の咲く、この丘で式を挙げよう」  そう言い残し、テオは、愛するマリーとの、しばらくの、でも希望に満ちた別れをして、長い航海に旅立ちました。
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