圭介のインタビュー

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午後4時。夕方前のガランとした店内。僕に色々質問してくるオバサン…じゃなくて雑誌記者下山留美さん。母さんと同じ位の年らしいけど独身の人にはオバサンって言ったら失礼なんだって母さん言ってたなぁ。ちょっと疲れたんだけど、下山さんは気付いていない。小学生が長い事座っていられるって思ってる?僕は無理だなぁ。カウンターにいる敬太さんに助けて~と視線を送るが知らん振り。こういう時はエヘンと咳払いするのがいいんだっけ?でも露骨すぎるか。ちょっと早いけど塾に行くって言うのがいいかなぁ。今日はテストがあるから早めに行くって言っても怪しくないよな。 「あの、今日塾でテストがあるから早めに行きたいんだけど。また明日でもいいですか?」 「ごめんなさぁい、なんか一方的に喋り過ぎたわね。疲れさせちゃったかな。じゃあまた明日以降にお願いするわ。ありがとう」 はぁ。良かった。飽きましたとは言えないよな。でも明日以降もって言ったよな。何回もこの手は使えないなぁ。 「おいっ、圭介。いつもテストあってもギリギリに行くのに、今日は早く行くのか?」 「今日は友達と待ち合わせしてるんだ」 うまく言ったなぁと言いたげな敬太さんの鋭い視線を横目に席を立つ。
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