~通夜~

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「2人ともやめて!!!」 両手を広げ、私とけんごの間をドカッと 入り込んで止めに入ってきたのは、 けいこだった。 「みえ!!みえの気持ち 分からない事もないよ…… でも、今日は喧嘩はやめとこう! こんな場所で争っても ゆきお先輩は喜ばないよ…」 そう言って、けいこは突然 畳にしゃがみ込んで、泣き出した。 それを見ていた遺族や友人の人達は 私達に白い目を向けてヒソヒソと 何かを話している… けんごは申し訳ないと思ったのか ゆきおのお棺の前で軽く頭をさげ 「みえ‥また、一時たって出直してくるわ…」 そう言って外に出て行った… 私は、 しゃがみ込んで泣いている けいこの顔を覗き込み 「ごめんね。けいこ。 もう喧嘩せーへんから‥ 約束するから‥ ホンマにごめんなぁ。」 ポケットからハンカチを出し、そっと差し出した。
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