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そう言って
ゆきおのお母さんは
テーブルの上にあった
タバコに目を向け
腰を上げ立ち上がり
突き刺さっていた包丁を
両手で持ち
背中を震わせながら
しばらくジッと見つめていた…
私は、このまま
おばちゃんが死のうと
しているんじゃないかと
不安だったが…
でも、何も言えず
何もできず
ただただ
見ている事しかしなかった…
不安でありながらでも止めたりはしなかった…
それは
自分自身が
死にたかったからだ…
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