15/16
前へ
/81ページ
次へ
     そのことに対して瞬は舌打ちを一つする。今いるこの場所は少しでも強い雨が降ると道が緩くなり、車での通行が不可能になる。当然バスも止ってしまう。  夜までに止めばいいが。そう思いながら給食室に入ると、まだ思考の世界から帰ってきてない凜子が目に入った。  なんとなく間が持たなくなり、瞬は口を開いた。 「なあ、さっきなんであいつをいじめてたんだ?」 「ん? なに。何か情報が引き出せないかと思ってね」 「ほう。成果は?」  別に深い意味があって聞いたわけではなかった。  しかし、凜子が次に言った言葉は、まるで予想が出来る物ではなかった。    
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加