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「ここに足跡が四つあるだろ?」
「あぁ」
「給食室に向かうのが三つ、この内二つは私達の足跡。そして出ていくの一つ、これはアイツの足跡だ」
「おう」
「残った一つ、給食室に向かうこの足跡は誰のだ?」
「アイツのだろ」
「所が、違う」
「?」
「こっちとそっちの足跡、靴の形が違うんだ」
「…言われて見れば、確かに」
しかし瞬は、それがどう言う事なのか分かっていない。
「で、それがどうした?」
「私達以外に誰かもう一人、ここに来てるって事になる」
「もう一人…、マリヤか?」
「さぁ、そこまでは…」
二人は立ち上がり、ただ黙って足跡を見詰めた。
「…ん?、おかしくないか?」
瞬が何かに気が付いた。
「入ったのと出たのが別人なら、入った奴は何処に行って、出た奴はどうやって入ったんだ?」
「確かに」
二人は考え込んだ。
「靴を履き代えた、とか」
「こんな所で履き代える必要があるか?」
「それなら出入口が他にある、とか」
「可能性としては一番、有り得るな」
「探してみるか?」
「そうだな」
二人は給食室に入った。
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