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俺がルナに見とれていると背後から大きな声が俺を呼んだ。
「シーザー‼シーザー‼」
この声はシグナス先生だ。ああやばい…お仕置きくらうかな。シグナスは樹海の草木をガザガサとかき分け、右手にタイマツを持ち、息をきらしながら俺の前に現れた。そして、俺に叱った。
「ハアハア…シーザー‼何をやっていたのですか‼心配しましたよ‼全く貴方は‼」
俺はそっぽ向いていた。シグナス先生はルナを見て俺に尋ねた。
「おや?シーザー、この子は?」
ルナはシグナス先生に少し脅えているようだった。シグナス先生の十字架の模様や装飾が施してある神父服を見て、目をそらした。俺はルナのそんな姿を大した疑問を持たずに応えた。
「この子はルナって言うんだ」
ルナはシグナス先生を見ようとはしない。そしてシグナス先生はルナをシゲシゲ見つめて沈黙した。
シグナスはこの時心の中で呟いた。
(この子は…まさか…)
俺は難しい顔をして黙ってしまったシグナス先生にマティアスという男性を何とかしてもらおうと声をかけた。
「あのさ先生、そこで倒れてる人だけどさ」
シグナスはマティアスを見つめて驚愕した。そして呟いた。
「マティ…アス…クロンクビスト‼」
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