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ルナに掴みかかるシグナス先生。間近でルナを睨み付ける先生はいつもの先生ではない。一体どうしたというのだろうか。俺は止めに入った。
「先生止めろよ‼一体どうしたんだよ‼」
先生は俺の言葉に聞く耳がない。先生の怒りの形相で睨み付けてもルナは無表情だ。間近で先生をジッと見つめているだけだ。そしてルナはボソリと先生に言った。
「…私は嘘はつかない…」
俺には先生が何を怒ってるかは理解出来ないが止めるしかない。
「落ち着こうよ先生‼」
先生は掴んでいるルナの両肩を離し、うつ向いた。
「…すみません…」
ルナは別にどうてもいいみたいに無表情。俺はとにかくこの気まずい雰囲気をどうにかしようと必死だった。
「そういえば、ルナは何処に住んでるの?」
ルナは首を横に振って答えた。
「私に帰るべき場所なんかないわ」
俺はそれを聞いて一つ名案が浮かんだ。
「そうだ‼ならシグナス先生の家に俺達と一緒に帰ろうよ‼」
俺も既に家出のこともどうでも良くなっていた。ただ一人になってしまったルナを放っておけなかった。先生はしばらく難しい顔をして考えていた。俺はもう一度先生に頼んだ。
「ね?先生?先生もそれがいいと思うよね?」
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