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ボブがからかうようにルーシーに言った。
「ヘッ、か弱い王子様の世話も大変だなルーシー」
レキもクールに笑いながらルーシーをからかった。
「フフ…ガラスのように繊細な貴公子様だな」
ルーシーはキリトをバカにする二人に腹を立てた。
「キリトを侮辱するのは許さないわ‼キリトはあんた達と違って優しいわ。特に私には優しいんだから‼」
ボブとレキはバカ笑いをした。ボブが笑いながら言った。
「ガハハハハ‼聞いたかレキ⁉“特に私には優しい”だってさ‼こりゃルーシーも重病だな‼」
レキも笑いながら言う。
「ウヒヒヒ‼ああ、こりゃ傑作だ‼“ガラスの貴公子に恋をしたお転婆なお姫様”だな‼」
二人にからかわれルーシーは顔を赤らめ黙ってしまった。クレアが割って入った。
「もう‼今はからかってる場合じゃないでしょ‼見てよ‼あの月を」
ボブが「それがどうした」と言わんばかりの言い方で言った。
「その紫色の月がどうかしたのかよ?」
クレアが唾を飲み込み、窓越しから紫色の月に指差し言った。
「きっとこの月が“眠れぬ月”よ‼」
レキが呆れるように言った。
「また始まっぜ、クレアのオカルト談が、…で?その月は一体何ですかい?」
クレアは真顔で答えた。
「“夜の一族”と呼ばれる魔物が活動する間に出ると言われている月よ‼」
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