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レキが鼻で笑った。
「フン“眠れぬ月”だあ?“夜の一族”だあ?」
クレアは更に語った。
「“眠れぬ月”の夜に人間界に徘徊する“夜の一族”…伝説にある“狼男”や“メデューサ”や夢魔と恐れられる“サキュバス”も夜の一族の民…他にも沢山いるけど」
クレアは談話室を回りながらみんなに真剣に語る。
「そして数多くの夜の一族を束ねる王が“吸血鬼ヴァンパイア”」
クレアは立ち止まり、まだ真剣に語る。レキとボブは「まあ、聞いてやろう」という風にニヤニヤしながらうなずく。
「吸血鬼ヴァンパイアは人間の寝しずまった夜に現れ、女性の生き血を食料とし、人知を超える恐るべき怪力…その姿はコウモリに…狼に…そして霧にも変身させることができ…恐るべき暗黒魔術を操る…まさに魔物の王を名乗るにふさわしい存在よ」
ルーシーは聞きながら冷や汗を垂らし、唾を飲み込む。ボブとレキは馬鹿笑いをした。
「ギャハハハハ‼面白い‼面白い笑い話だ‼」
クレアはムッとする。
「私はギャグで言ったんじゃないわよ‼本当なんだから‼」
レキも笑いながら言った。
「わかった、わかった。俺は信じるよ。ククク‼」
その時、談話室から廊下に抜けるドアが勢い良く「バァン‼」と音を立てて開いた。皆静まり開いたドアに振り向いた。
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