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紫色の光を放つ妖しく、美くしい月が照らす不気味な古城に二人の男性が激しく口論をしている。
「マティアス‼人であることをすてたな⁉」
マティアスと呼ばれている人物が口を開く。
「そうだレオン‼…神が私の最愛の妻と私を病死で終わらせるのであれば、私はそれに逆らってやろう‼ヴァンパイアとなって、未来永劫神を呪ってやる‼そして、それを愚かなに信仰する人間もな‼」
レオンと呼ばれる人物がうつ向き言った。
「哀れだな…」
マティアスはレオンの言葉にしかめ面をする。
「…何?」
レオンは頭を上げ、マティアスに激しく訴えた。
「それがお前の最愛の女性が望んだことか⁉私の知ってるマティアスなら…そんな女性は愛さない‼」
マティアスは落胆した。
「お前なら…わかってくれると思っていた…私と同じように最愛の女性を亡くしたお前なら…」
自分の言葉が伝わらないマティアスにレオンは再度訴えようとする。
「…マティアス‼」
マティアスはレオンに背を向けた。
「私はもう行かなければ…」
マティアスは小さなコウモリに変身し、飛びたった。レオンは追いかける。
「待て‼マティアス‼」
レオンはマティアスを見失う。何処に消えたマティアスに向かって空に向かって叫んだ。
「マティアス‼お前が神を滅ぼす一族となるなら、私は夜の一族を滅ぼす一族となる‼」
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