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レオンはその場で落胆した。
「…マティアス…何故お前まで…ヴァンパイア“ヴァルター”を倒せば全て丸く治まるはずだった…だが、まさかマティアスがヴァルターからヴァンパイアの力を奪うとは…
これではヴァルターによって血を吸われ、魔物になる運命しかなかった私の愛する“サラ”は何の為に“ヴァンパイア・キラー”聖なる鞭として生きることを望んだ?…」
レオンは手に持つ愛するサラ・トラントゥ―ルの魂を宿したヴァンパイア・キラー…聖なる鞭を見つめた。すると鞭は微かに光出した。まるでレオンに何かを訴えるように。レオンはそんな鞭を見て呟いた。
「サラ…君はそんな姿でも純粋で健気だな…」
レオンは鞭を見つめながら微笑んだ。
「すまないサラ…私は弱気になっていた。君はいつも私の側に居るのだったな…」
レオンは古城を照らす月を見つめた。
「…もうサラのような悲劇は繰り返してはならない…そしてマティアス…お前は私が止める…」
~それからレオンは十字軍に戻ることは決してなかった…マティアスとレオン、軍を総轄していた二人が欠けたことで十字軍は弱体化し、衰退していった…そして、18年の月日が流れた…。
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