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「ゴメンね。今日、いけそうにないんだ…」
私は、ためらいながらナタリーに謝った。
「えぇ~なんでぇ~?どおぉ~してぇ~?」
ナタリーは、かなり残念そうに言った。
「え…え~と」
私は相槌を打った途端。
「あぁ!!また、ミサがあるんでしょ!!」
突然、ナタリーは大声で叫んだ!
「えぇ!」
私は驚き思わず大声を出してしまった。
「いいな、いいなぁ~私も行きたいなぁ~」
さらにナタリーは子供のような喋り方で羨ましがった。
「え、え?!
な、なんでわかったの?」
私は不思議で、仕方がなかった。
「フッフッフッ、梅ちゃんが息詰まった時は、たいていミサがあるんだよねぇ~」
ナタリーは、鼻高だかに笑った。
「ば、ばれちゃった…か。
そうだよ今日、急遽ミサが入っちゃったんだ」
私は苦笑いをしながら話した。
「やっぱりね。いいなぁ、クラウン様にもう一度お会いしたいなぁ~」
ナタリーはのんびりと高い声でそう言った。
外見は格好良いクラウン様だから、大学でライブ(私がお願いしたんですけどね)をしたら、あっという間にファンが増えた。
今では、ファンクラブの会員数が万をこえるほど。
…ある意味、恐ろしいルックスだ。
「それで?今日は何でミサに呼んでくれないの?」
ナタリーの声いつも通りの声に戻った。
「う、うん実は…」
私は少し焦りながら言った。
「じ・つ・は?」
私は電話なのになぜか空気が重くなった。
見えない威圧に襲われる気分だ…!
「…ほ、ほらだって今日合コンだってあるし…ねぇ?」
私はなんとか、ナタリーを説得をしてみた。
「クラウン様のためなら地平線の彼方まで行けるよ私は♪」
…どうやら無駄だったみたい…
(こうなったら奥の手だ!)
私の奥の手とは…嘘を付くこと!
「…実は、今日のミサは特別で、呼ばれた人しか来ちゃいけないんだ」
もちろん、これはうそ。
そもそも、何でうそまでついて、友達を呼びたくないかと言うと…
…ミサには裏町の住人が来るんです。それも複数!!
目を合わせられないくらい、恐い人達ばかり。そんな人達と、何かトラブルがあったりしたら、大変!
だから、私は呼びたいけども、グッと我慢して…!
「そっかぁ~残念だなぁ~。」
ナタリーはため息と一緒に、残念そうな声を出した。
今日は意外と、あっさり諦めてくれた。
「本当にごめんね…」
私は、しょんぼりと謝った。
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