第一章"教会"

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「…昔話じゃないなどっちかと言うと歴史…かな」  私は古い本の背表紙を見ながらぶつぶつと小さな声で言った。  ここは古い図書館、さっきの昔話はこの図書館にあるボロボロの古本、タイトルは不明…  私は本を[昔話]の欄に戻し図書館を出ていった。    私の名前は「梅原 杏」(日本人)  今年二十歳に成った現役の女子大生。    私が今いる国は日本から遠く離れた小さな国[アイル国]。  国土は小さいけども住み心地がよくとても良い国。  ただ、この国の西部には膨大な裏町が存在し、そこは治安が悪く国も対処が出来ないみたいだそうです…  …ちょっと恐いですね。   「あ!大変!」  私は街頭の時計を見てびっくりした。 もうすぐ約束の時間だったからだ。  私には必ず毎日行かなきゃ行けない場所がありました。   それは…教会    私は街道を急いで走り、公園にある小さな教会へと駆け込んだ。  今日、日曜日。  礼拝のある日なのでした。 「はぁ、はぁ…もっと早く出ていれば良かった… あと五分しかないよ」  私は急いで教会の地下にある更衣室に入り、着替えを済ませた。  教団の服は真っ白な上着と、少し長めのスカート。  結構高そうだ…大事に着なきゃな…。
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