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ここからは、信者達が一人、一人祭壇に祈りを捧げて、教祖様に挨拶をしてから、家に帰っていく時間だ。
(それにしても、年層がハッキリと別れているなぁ…
いつも来てる「ジョージ夫妻」は、二人とも九十以上のご老人、…だけどすごい元気。)
私がそんな事を思っていたからか、腰の曲がったジョージ夫妻がクラウン様の目の前に立っていた。
「クラウン教祖様、今日もありがとうございました。」
ゆっくりとした口調でお婆さんが話した。
「また、よろしくな」
お爺さんは元気のいい声でそう言うと、二人は、ゆっくり一礼した。
…すると二人はすぐに顔を上げニッコリ笑った。
「でも、遅刻はよくないぞ、来週は飲みすぎないようワインは、一本だけにしときなさい」
お爺さんはそう言うと、人差し指をピンと上げた。
「わかってますって、でもせめて二本と半分にしてください」
クラウン様は、笑いながら中腰になり、指を二本出した。
「ジョージさんも、飲みすぎには注意しましょうね」
私も笑いながら言った。
「大丈夫!私が飲ませやしないよ!」
お婆さんは腕を大きく上げて、ガッツポーズ…本当、元気だ。
(嫁さんに、尻ひかれてますね)
クラウン様はお爺さんの耳元で、そうささやいた。
(どちらかといえば鬼に尻ひかれてるだ。)
お爺さんは、半笑いをしながら喋った
「なんか言ったかい?」
お婆さんは[ボキボキ]と両手の指をならした。
『いえ、何も』
二人とも背筋をピンっと張り硬直した。
(あれ?ジョージさん腰を悪くしてたんじゃ…まぁ、治ったんでしょう…多分)
私は疑問に思ったが聞かないことにした。
(確か最年少だと…
六歳の女の子のいる、「エミリア一家」、必ず家族全員で礼拝に来てくれます。特にこの女の子、クラウン教祖様が大好きみたいで、会うたび抱きついてます)
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