第一章"教会"

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…ダダダダダダ!!  突然、遠くの方から足音が鳴り響いてきた。 「クラウン様ぁ~~こんにちわぁ~~」  ミールは小さいながらもすごい跳躍力で、あっという間にクラウン様の首に飛び付いた。 「げふっ!!い、いつも元気だなぁミールは…」  クラウンサンはそう言うと、苦しそうな顔をしながら、ミールちゃんを抱き抱え、頭を撫でた。 「いつもすいませんね、クラウンさん。…痛くありませんか首?」  エミリアさんは笑いながらも心配そうな声で話し掛けた。 「えぇ、大丈夫です」  クラウン様は苦しそうだが、笑ってごまかした。 「ほら、ミール!そろそろ離れなさい」  ミールちゃんのお父さんが、手を差し伸べた。 「えぇ!!やだ!!」  ミールはさらにきつく、クラウン様の首に抱きついた。 「うぅ!」  クラウン様はさらに苦しそうな顔になった… (クラウン様…ファイトです)  私は声に出さずに、心の中で応援した。    結局、ミールちゃんは五分くらい、がっちりとクラウン様の首にしがみ付いてました。 「ハァ、ハァ…」  クラウン様は、少し息があがってしまった。 「あ、そうだ… これどうぞ、ジャガイモの料理よ。よかったら食べてくださいね」  エミリアさんはエプロンのポケットから、プラスチックの箱を取り出しクラウン様に手渡した。 (やった!エミリアさんの料理だ♪ 涙がでそうなくらい、おいしいんだよね)  私は心の中で、喜んだ。 「いや、いつもありがとうございます」  クラウン様は受け取ると、すごくうれしそうな顔になった。 「いいえ~、あまり物ですから」  エミリアさんはお淑やかに笑った。  …すると、突然ミールちゃんが私の服を引っ張って呼んだ。 「ん?なぁに?」  私はかがみミールちゃんの顔を見た。 (ホントはねぇ あまり物じゃないんだ。今日、作ってきたの)  ミールちゃんは誰にも聞かれないように、私の耳元で小さく喋った。 (えっ!本当?)  私は驚き、ミールちゃんの顔を再度見た。 (ほーんと、ミールもお手伝したもん)  ミールちゃんは、歯を見せながらにっこりと笑った。 (お手伝いできるようになったんだ、偉いねぇ)  私も、ミールちゃんの頭を撫でてあげた。 「エッヘン♪」  ミールちゃんはニッコリ笑った (なんだか…悪いなぁ。今度お返ししないと)
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