ジン

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20代後半の男が顔をしわくちゃにして満面の笑みを覗かせた。 黒のエプロンを掛けたその男は、何だお前かよと言って注文も取らずにキッチンへ向かった。笑顔は、少し残って見えた 仁はいつものカウンターの1番奥の席に座り灰皿を近づけてラークに火を着けた。 すぐにジャーっと何かを炒める音が聞こえてきた。 「仕事は、順調なのか?」 フライパンを器用につかいながら仁に言った。 「うん、まぁ何とか」 仁の前に旨そうな高菜ピラフが出された。 そこから出る湯気をため息でどけて仁は、一口ぱくりと食べた。
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