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「やっぱ、ちゃんと就職しよっかなぁ」
エプロン姿の男は、鼻で笑ってそんなの無理だと言って皿を拭くのをやめなかった。
仁は、その態度に少し腹をたてて高菜ピラフをがつがつ食べた。
ふと仁は、顔を上げた。
「雅(まさ)ニィは、いくつになったんかね?」
「28」
「ぷっ、もうすぐ三十路やん」
「うるせぇ、それ食ってさっさと帰れ」
「はいはい…ごちそうさん」
仁は、あっという間に高菜ピラフの大盛を食べて皿をカウンターに置いて金も払わずさっさと店を出て、最後の一本になったタバコに火を着けて歩きだした。
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