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憎しみ
この澱んだ暗い部屋に季節はない 朝も昼も夜もない
夢と現実(うつつ)を漂いながら 今日もまた アニメやゲームの世界へ
そして物語の主人公に自分を重ねるのだ
語の中の俺は 世界の平和のために戦う勇者の末裔だったり
12人の妹に慕われるモテモテな男前だったり
「自分はなんでもできて、何にでもなれる」
本気でそう思うようになってしまったんだ・・・煙草がくれるほんのわずかな安息の数が俺の体内時計になった。
ゲームで得た偏った知識だけが積み上がってゆく。
こんなはずじゃなかったのに。これが俺の人生だと言うのか?
誰か答えてくれ・・・俺はもう過去には戻れないのか?
友人たちはどこへ行ってしまったんだ?
輝かしい未来への道はどこに消えてしまったんだ?
答えはわからないまま 俺はかけがえのない時間を無駄に過ごしている
どこで道を間違えたのか?
そもそも何を間違えたのか?
わからない・・・だから俺はすべてが憎い
すべてをただ憎むことしかできないんだ・・・しかし現実はどうだ?
大学中退、肥満、ニート
これが現実 夢じゃない まぎれもない現実
今日もまた、俺は薄暗い部屋でゲームをしながら腐っている
ガミガミうるさい親は 蹴っ飛ばしてやったらそれっきり何も言わなくなった。
猫なで声で俺の顔色を伺いながら心の底でビクついてやがる
イライラするんだよ・・・そんなことされると!
もう放っといてくれ!!
(「できない」んじゃない。「やらない」だけ
そう自分に言い聞かせて、今まで生きてきた
本気を出すのが怖かったんだ
本気を出して、自分がたいしてなにもできない人間だと実感することが怖かった
だから本気になってガンバってる奴らが羨ましくて悔しくて
俺はそいつらを憎み、誹謗中傷することでしか自分を保てなかった
そうすることで、そいつらよりも偉くなった気がするから錠剤がくれるほんのわずかな安息の数でしか俺は時間を計れなくなった。
アニメで得た偏った知識だけが積み上がってゆく。
こんなはずじゃなかったのに。これは夢じゃないのか?
神よ教えてくれ。これは夢だと言ってくれ。俺を夢から醒ましてくれ!
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