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;ー;)「っっっいつつ……」
その少女がうずくまって小さな悲鳴を上げると、自動販売機の
上から空き缶が転がり落ち、その少女の帽子の上に当たった。
( ^ω^)「何やってるんだお」
(*゚ー゚)「?」
その少女が振り返る。不思議そうな表情でこちらを見る。こん
な時間にこんな場所にいのだから当然だろう。
しかし僕の方はと言えば、驚いていた。
白い透き通るような肌に、長く澄み切った黒髪。そして何より
も驚いたのがその黒とも紫とも違う瞳だった。
見ていると吸い込まれそうになるその瞳に、僕は既視感を感じ
ていた。いつか見た夜に似ているのだろうか。
と、一人惚けていると少女はまたため息を漏らす。
(*゚ー゚)「他にかける言葉があると思うんだけどなぁ」
( ;^ω^)「あ、ああ…いやぁ…」
不意をつかれた僕は言葉にならない声を発してしまった。
するとその少女はどこか嬉しげな瞳を僕に向け、また自販機に
向き直っていた。
(*゚ー゚)「あのね、お金入れたのに出てこないの」
今度は素手でたたき始める。
(*゚ー゚)「……聞いてる?」
( ^ω^)「え、ああ」
代わって僕が入れ口やスイッチを覗く。
( ^ω^)「結構古いタイプのやつだからおね…」軽く叩いたり周りを調べたりする。
(*゚ー゚)「あれ、君の?」
( ^ω^)「ん、ああ……そうだお」
( ^ω^)「夜明けが撮りたいんだお。夜が青空に変わる、一
瞬を」
(*゚ー゚)「夜が……青空に…」
( ^ω^)「あと少しで見れるお」
( ^ω^)「この……」
叩いてもうんともすんとも言わない自動販売機に業を煮やし、
大きく助走距離を取る
( ^ω^)「うりゃあ!」
衝撃と共に何かが落ちる音が聞こえる。缶ジュースがやっと出
てきたようだ。
(;^ω^)「ふぅ……」
ほら、と出てきた缶ジュースを後ろにいる少女に差し出す。
( ^ω^)「あれ」
あたりには誰もいなかった。
呆然として、手元に残った缶ジュースを見る。
( ^ω^)「トマト汁粉……?」
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