ソライロノカサ

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コツン   草木一つ無い岩の坂の上を、古びた布をまとった青年がその手に持つ杖で鳴らした。   はぁ…   息が上がりつつも、雲一つ無い岩の砂漠のような大地を歩き続けている。 よろめきながらも休むことを忘れたかのように進んでいる。 ああ、あれは…… 僕だ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ミセ*゚ー゚)リ「女の子?」 ( ^ω^)「あー」 いつも通り、学校の屋上で仰向けになりながら愛用のデジタルカメラを片手で構える そこから映し出されるのは、空だ。 ( ^ω^)「ジュースが出ないとか言ってたんだお」 ミセ*;゚ー゚)リ「午前四時に?」 ( ^ω^)「午前四時に」 我ながら、妙な話しだと思う ( ^ω^)「おかげでせっかくの快晴だったのに撮れず仕舞いだったお」 ミセ*゚ー゚)リ「快晴ねぇ……」 フェンスにもたれながら半ば呆れたようにため息をつく彼女。 ミセ*゚ー゚)リ「ほんと飽きないわよねぇ、空撮るの」 ( ^ω^)「飽きるわけ無いお、これだけ色々変化があるんだから」 その変化の一瞬を逃がすまいと見続けていたレンズの中に、彼女が映る。 ミセ*゚ー゚)リ「人間だっていろいろ変化があるじゃない」 レンズごしに覗き込まれた顔は、どこか憂いでいる。 ( ^ω^)「見えるお」 一瞬何のことか、理解していないように目を丸くした彼女だが、気づいて慌てて制服のスカートを両手で押さえた。 その次の瞬間、「バーカ」という言葉と共に視界が彼女の靴底で埋まった。 ( ^ω^)「で、何の用だお」 レンズをこちらに向け、モニターを相手に見せ付けるようにして顔面を踏まれた自分を彼女に見せてやる。 僕のささやかな不満のアピールだ。 痛くはないのだが、気分の良いものではない。 彼女は腰に手を当て、足を元に戻した。 ミセ*゚ー゚)リ「何って、呼びにきたのよ。ホームルーム終わっちゃうわよ?」 (;^ω^)「ええ!?」 飛び起きて腕時計を確認する。なるほど、そんな時間だ。 ミセ*゚ー゚)リ「やっぱり気づいてなかったんだ。急いで買い物に行くんでしょ?」 ( ^ω^)「それなら心配無いお。昨日買っておいたんだお」 ミセ*゚ー゚)リ「え?」
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