喫茶a店

2/2
前へ
/550ページ
次へ
  手を伸ばしたまま凍る 貴方   静かな光が隙間を埋める   珈琲カップの黒い 瞳が   貴方を見つめる   何か 見えるのか   何か 言いたいのか   どちらにしたところで   人間の言葉は知らないのだから誰にも教えられないのだけれど   店員の下品な笑い声で   時間は動き出す   口付けだけが   伝えられる 何か   貴方は立ち上がる   何か を 知ってか知らずか   カップはすぐに片付けられ   その痕跡は 消された  
/550ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加