愛を知る

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僕にはじめて友達が出来たのは3歳の頃だった。 ある日親から、『愛(僕です。)、これからはお兄ちゃんになるんだからね、いい子にならなきゃだめだよ』と言われた。 僕は、幼稚園や保育園にもまだ行ってなかったので、まだ外の世界や友達と呼べる存在がいなかった。だから、生まれてくる弟が僕にとって、初めての兄弟であり、友達になった。 生まれて来た子供は、僕よりもすごく小さかった。僕の小指を全部の指で握ることしかできない小さな手だ。 僕は、弟が可愛くて愛おしくて仕方なかった。今まで、親や親族からもらった愛を分け与えることも惜しくないと思った。(少し寂しい気もしたけど) 寝るときも起きる時もずっと一緒だった。ずっとギュッと抱きしめ続けていた。弟はちょっと窮屈そうにしてたけど、僕なりに精一杯の愛情表現だった。 僕は、初めて人を愛することを覚えた。
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