『小太りじいさん』

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むか~しむかし、あるところに、たいそうふとってはおらず、そうやせてもいない、それはそれは小太りなおじいさんが住んでおった。 おじいさんはおばあさんとふたり畑を耕しながら、それはそれは和やかに暮らしておった。 となりには、またそれはそれは小太りで、ちょいわるなおじいさんが住んでおった。 ちょいわるなおじいさんは、となりのおじいさんにちょいちょいいたずらをしかけておった。 が、別にいがいとなんか仲はいいようじゃった。 ある日、おじいさんが町へやさいを売ったかえり道、急に雨がふってきよった。 「うへぁ、こりゃぬれてしまうわいっ!」 おじいさんはすかさず、近くの森の木の下で雨宿りをすることにしたのじゃ。 ところがおじいさんは最近運動不足でつかれていたのか、なんと寝てしまいよった。 …どん、どこどん… おじいさんはふと、音にきづいてめをさました。 まわりはもう夜になっておった。 …どこどこどん… 「はて、こんなじかんになんじゃろう?」 夜なんだからさっさと帰ればいいものを、おじいさんの好奇心はそれを超越しておった。 …どかどこどんどんどかどんどん… 木のかげからそっとのぞけば、なんと、鬼が宴をひらいておった!!
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