デジャブ

ユイは『違和感』を拭えずにいた。
どうも今日は７月８日のような気がしてならないのだ。

とあるヘアサロンで勤めるユイは７月７日の七夕に上司でもあり彼氏でもある陽太やサロンのスタッフと飲み会があり、次の日が火曜日で定休日だということからとことん羽目を外し、飲みすぎて記憶がなくなって、朝自分の部屋で目覚めた…と思ったのだが日付は７月１日(火)だったのだ。

陽太にも電話をかけたが
『何言ってんだよ、大丈夫か？』
と呆れられてしまった。

そこで自分のスケジュール帳もみたが、毎日つけている一言日記みたいなものも６月までになっていたのだ。

確かに、今日が８日なら先週一週間の記憶があっていいのだがそれもなかった。

気にしていても仕方ない。

今日は陽太と午後から美術館に行く予定がある。

身支度をしてアパートを出た。