お友達…

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一呼吸し玉城は語り始めた。 「昔、あのトンネルの向こう側に小さな村があってね。その村にあの子供が居たんだ。その村には、年に一度だけ物資を運ぶ車があってね。その車の運転手の子供が毎回来ていたんだ。それも、例の子供と同じ年頃のね。」 「その村には、他に子供はいなかったの?」 真由美が聞いた。 「なにせ、老人が多い村だったからね。」 玉城はそう答えると、再び語り始めた。 「そんな理由もあって、その子にとってはその車が来ることが楽しみだったんだ。…だけどね、」 「何かあったんですか?」 美喜が静かに聞いた。 「実はね、その車が来る日の朝に、その子は待ちきれなかったみたいでね…。あのトンネルで車にひかれてなくなってしまったんだ。それも、皮肉な事にその車が、友達の乗った車なんだ。」
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