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「キツいな…この時間の電車は…。」
時間は12時…しかし日曜日なのに会社なんて亜紀姉も大変だな、全く。
この混み方を目の当たりにして日曜日に遊びに行くという思考は、みんな一緒ってことを改めて実感。
「お兄ちゃん、もう少しこっちきても大丈夫だよ?」
「平気平気…俺は頑丈に出来てるからな。」
笑いながら踏ん張る。
千秋を角におき両手で周りから守る……完璧だ。
「でもお兄ちゃん大変そうだよ。」
「全然余裕、痴漢から千秋を守るためなら俺は頑張るよ。」
というか一度やってみたかった。
しかしこれを試せるのが妹しかいないなんて……。
「ありがとう、お兄ちゃんっ。」
彼女の特技である抱きつきを発動…千秋の肌が柔らかすぎて噛みつきたくなる。
しかし千秋は本当に甘えん坊だな…まあ両親海外だから俺が父親みたいなもんだからな。
「そんなに急ぐなって…。」
電車を降りてからぐいぐい腕を引っ張られている。
「だって~時間がもったいないもん。せっかくのデートなんだよ?」
端からみたら確かにデートにみえるのだろうか…そういえば千秋の服装が外行き用なのに今更気付いた。
けど千秋は妹だ…いくら彼女いないからってだめだろ。
「あーここだよ、お兄ちゃん。」
せっかく遠出してきたのに小さい店だなあとか思いながらまじまじとみると違和感を覚えた……まさかここは。
「お兄ちゃんはそこのカフェで待ってるから。」
そう言って逃げようとするが…千秋がぎゅっと俺の腕にしがみつく。
「なんでよおーお兄ちゃんは今日は千秋のためにって言ってたもん。」
少し涙目な千秋…可愛い、まさかこれが萌えなのか。
「いやでも千秋さん…ここはさすがに。」
「ならいいもん…千秋はここで脱ぎます。」
シャツに手をかけた…み、見たい…でも。
「うおばか…わかった、わかったから。」
「ほんとですか…やったっ。」
そんなに嬉しいのかって聞きたくなるほど飛び跳ねて喜ぶ千秋だった。
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