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怪しい男が一瞬冷めた視線を送ってきた、お前がそんな立場かコノヤロー。
「…ま、まぁ見逃してくれるんですね?約束ですよ?」
「ああ、ちゃんと見逃すよ。だからさっさと金よこせ」
「…最低な人ですね」
そう言って金を差し出す。受け取るとそいつは走り去った。
…お前には言われたくねぇよ。
その後金の使い道をいろいろ考えていると村長が帰って来た。
「何をやってるんじゃ?」
「あ、村長。近くの森にリオレウスが現われたっぽいです。あと──」
しまった、普通に話しそうになった。金をもらった以上秘密にしないと…。
「あと…?」
マズい、でもなんとか誤魔化す方法がある筈!考えるんだ俺!
「あとなんじゃ、気になるから早く言わんか」
村長にせかされながらもひたすら考える。様々な記憶が呼び覚まされ、実際にあった事に近い方が信じてもらいやすいと誰かが言ってた事を思いだす。
事実+少しの嘘=ちょいアレンジした事実
これを基に俺の危機回避本能が発言する。
「──女装したキツそうな男のあいつに会いたい」
俺は変態かよ。さっきの記憶を基にするなよ俺の本能。
「お主はそんな奴に会いたいのか…びっくりじゃ…」
俺もびっくりだ。
「…そんな男の何がいいんじゃ?」
焦っている俺に気付いたのか、村長は疑いの目で聞いてきた。
ここで答えなかったら嘘がバレる!もう一度頼むぜ俺の危機回避本能!
「…ちょっとSでナイフ投げられそうな感じ」
どこのM野郎だ。恨みまくるぞ俺の本能とギルドの出来事。
「それはかなりのSだと思うのじゃが…そしてお主はそんな奴じゃったのか…」
何か大切な物を失った気がすると伴に、本能には今後頼らないと誓った。
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