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そして、少しとしないうちに村の近くに着きました。
子どもは降ろしてもらうと妖を見上げてにこりと笑いました。
「ありがとう。貴方のあかげで助かったよ」
それを見た妖は無表情…でも、少しだけ驚いていました。
そんな顔を見るとは思いもしなかったからです。
「それじゃぁ、またね」
笑顔で子どもは村へと走って行きました。
妖は子どもが見えなくなるまで見送りました。
それから森に戻っていきます。
すっと手を胸に当てました。
何故なのか、その胸の中があたたかくなった気がしました。
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