少女

7/7
前へ
/137ページ
次へ
そして、少しとしないうちに村の近くに着きました。 子どもは降ろしてもらうと妖を見上げてにこりと笑いました。 「ありがとう。貴方のあかげで助かったよ」 それを見た妖は無表情…でも、少しだけ驚いていました。 そんな顔を見るとは思いもしなかったからです。 「それじゃぁ、またね」 笑顔で子どもは村へと走って行きました。 妖は子どもが見えなくなるまで見送りました。 それから森に戻っていきます。 すっと手を胸に当てました。 何故なのか、その胸の中があたたかくなった気がしました。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

140人が本棚に入れています
本棚に追加