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むかしむかし
森の奥に独りの妖が住んでいました。
とても綺麗な妖でした。
白銀の髪と瞳の人の形をした妖。
でも、いつも無表情で死んだ人間の身体を食べるから恐れられていました。
森の動物たちもその妖には全く近づきません。
食べられてしまうと思ったからです。
妖は特に何も思いません。
生まれた時からずっとそうだったからです。
まわりには誰もいません。
ただ、生きるために必要なものを狩っているのです。
妖は他に何も知りません。
教えてくれる人が誰もいなかったからです。
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