―始まり―

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ピンポーン、ピンポーン… 「ちょっと!!慶一!遅刻しちゃうよ!?早く用意してよ!!!」 そう言って早く家から出るよう促す。 「……うるさい。分かってるから。もう用意した。」 この気だるそうに出てきた、慶一と 「じゃあ、走るよ!急いで!!」 その慶一の幼なじみの果夏。 2人の朝はいつも騒がしい。 「はい、はい」 「はい、は一回でいいっつーの!」 「朝からうるさいっての」 「なんだとぅ!?」 こんな憎まれ口の果夏だが、密かに何年も慶一の事を想っている。 「げっ、ほら!遅刻すんじゃん!」 「マジ?じゃあ、学校まで競争な!」 「あたしが買ったらバーガー奢ってよ」 「俺が勝つからムリ」 「むっかつく!」 そう言いながらも果夏の顔は嬉しそうだった。 このいつもの日々は変わらないんだ、と願って… ただ、その願いが儚く散る願いだとしても……―-
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