プロローグ

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『今日さ、那智(ナチ)のお店行こうよ!』 那智っていうのはあたしの兄の源氏名で。 1年前から新宿でホストをしている。 妹のあたしが言うのもなんだけど、那智は結構イケメンで。 関西人が生まれながらにもつ独特のトークセンスで。 そんな那智に溺れる女の子は少なくなかった。 あたしの高校からの友達、舞(マイ)もその中の一人で。 那智の上京を追い掛けて舞も東京に出てきた。 昼間はOL、夜は六本木のクラブでキャバ嬢をこなす。 那智も仕事で舞の相手をしてるんだから… あたしは何度も止めたが、舞は那智の所に通うのをやめようとはしなかった。 別に大金を使ってるわけじゃないから、あたしも目を瞑ることにしたんだ。
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