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「ねぇ、俺から離れて行かないで…?置いていかれるみたいで、すごく嫌なんだ…」
またいつもの公園のベンチにあたしを座らせると、子猫みたく不安げな表情で必死に訴える君。
そんな君はまだ子供みたい…。…なんて言ったら君は『大人ぶって!』ってまた拗ねちゃうから言わないけど。
「うん…絶対離れない。あたしは置いていったりしないから…。」
「うん…」
あたしはギュッと彼を抱きしめた。
「あ!ねぇ…昔みたいにブランコに乗ろ?」
何分ぐらい抱き合ってただろうか…しばらくして君が、笑顔であたしに言った。
その笑顔があまりにも可愛くて…『恥ずかしいからイヤ』だなんて言えなくなる…。
─ねぇ知ってた?
…昔からあたしは、あなたの笑顔には逆らえないってことを。
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