††腐女子の紡ぐ物語††

ドリーマー

「つか、お前今『復讐者の牢獄』にいるんじゃ無かったのかよ？」
「それは「愛の力とか言ったら燃やす」…クロームが体を貸してくれたんですよ」

オレが脅し混じりにいったお陰か、骸は変態発言をせず素直に答えてくれた。

「何を血迷ったんだ髑髏…第一、用があるなら骸じゃなくて髑髏が来いよ！そっちのが疲れないし！！(何よりオレが)」
「…そんなにクロームが良いですか？」

いきなり、骸が寂しげな表情をした。

「そうじゃなくて、用事なら髑髏が来た方が早いし、お前も疲れないだろ？」
「え…」
「…あれ、違うの？」
「いえ、違いませんが…」

今度は驚いた顔をして、骸はオレを見つめてきた。
…すっごく恥ずかしいんですけど…///

「な…なに？」
「…すみません、少し驚いただけです」
「驚いた…？」
「はい。まさか僕の心配までしてくれているなんて思ってもいなかったので…」
「心配……。確かにそういうことになるけど、どうしてそんなに驚くの？」

オレがそう問うと、骸はポツポツと話し出した。

「…僕は、人に心配されることなんて両手で数えられるほどしかなかったんです。
　脱獄囚のリーダーとしても犬や千種に心配をかけられなかったですしね」
「…二人とも、すごく心配してるよ」
「今は僕が傍にいませんから…心配よりも、不安の方が大きいのでは無いでしょうか」

そういう骸の顔は、どことなく寂しげだった。
だから、

「てい」

その額に、デコピンをしてやった。

「お前バカ？バカだろ」
「…いきなりデコピンしてきたと思ったら、今度は人をバカ呼ばわりですか？」
「厚意を厚意と受け取らないヤツなんかバカでジューブン！」

むすっとした顔でオレが言うと、骸は「は？」と呆けた。