理性崩壊一歩手前

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「泉ー、」 「っ!…なんだよ」 「理科ってなにやったー?」 いつもなら俺だけがいる(下手したら誰もいない時のが多い)はずの、今は二人きりの俺の部屋。 俺と、水谷、だけ。 集まったのは夏休みの宿題を消費するためで、まぁ俺も終わってなかったし、と了承したのが運のツキ。 せめて花井か栄口でも誘っときゃよかった。 なん、っつーか…ひっじょーに、理性が危ない。 今、家に家族はいない。 だから、余計にいろんな音が聞こえたりして、ヤバイ。 暑さのせいで少し熱っぽい息づかいとか、モロ聞こえてきてて。 必死に自分を押さえてる最中に、黙々と課題をやっていた水谷が、いきなり声を掛けてきた。 ちょっと…いやかなり吃驚した、けど、多分バレてない。…と、思う。 「あー…まだやってねぇ…」 「ほんと?じゃあさ、一緒にやろ!」 「共同製作ってありなのかよ」 「だってダメとは言われてないし…」 「その前にクラス違うだろ?」 「同じ課題を二人で調べればいいんだよ!」 「で、ふたり分纏めんのか」 「うん!俺だけじゃどうにもできないからさ~、お願いっ!」 そう言って上目遣いでこっちを見てくる水谷にぶっちゃけ理性は崩壊寸前。 ただ、俺の変なプライドのお陰でなんとか最後の一線を保っている。 「…まぁ、いいけど」 「やった!ありがと~!」 …とりあえず、水谷喜んでるし、とか、水谷が可愛いからいいか、とか、思っとこ。 理性崩壊一歩手前 (泉、ありがと!) ((あぁもうホント可愛いなコンチクショウ))
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