ルビー

4/8
前へ
/42ページ
次へ
  ―――キーン…コーン…カーン…コーン…   「お…終わったぁぁぁ…」   補習終了のチャイムを聞いて、綱吉は机にべたりと倒れ込んだ。   「ははっ、お疲れツナ!」 「意味わかんない…よりによって数学とか…ホントないから…!」 「でも、最近はテスト頑張ってんじゃね?  英語とかスゲーじゃん!」 「『ボスたるもの英語ぐらいできなくてどーすんだ』っつってしごかれたんだよ…」   自分と同じく補習を受けていた山本に、綱吉は愚痴を溢す。 曰く、ちょっとは手加減しろ、らしい。   「小僧はスパルタだもんなー」 「限度があるよ限度が!!」 「(…独占したいだけっていったらどんな反応するんだろーな…)」   はぁぁぁ~、と大きな溜め息を吐く綱吉の肩を慰めるように軽く叩いて、山本はできるだけ自然に、いつものように話しを変える。   「とにかくさ、今日はもう帰ろうぜ」 「あ、オレ用事あるから先帰っていいよ」 「終わるまでまってるって!」 「いや、いつ終わるか解んないし…。  それに待たせるの嫌だしさ、お願い!」 「…んー、ツナがそこまで言うならしかたないのな」   山本の脳内では「どうやってツナに悟られないよう雲雀をシメるか」が脳内会議で協議されている。哀れなり雲雀。   だがそんなことを知らない綱吉は、山本に笑顔で「ありがとね!バイバイ山本!」と言って教室から走り去って行く。   それを向けられた張本人・山本は、   「…何あの小動物…可愛すぎだろ…」   オレ、親友やっててよかった。   と、赤い顔で呟いていたとかいないとか。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加