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―――キーン…コーン…カーン…コーン…
「お…終わったぁぁぁ…」
補習終了のチャイムを聞いて、綱吉は机にべたりと倒れ込んだ。
「ははっ、お疲れツナ!」
「意味わかんない…よりによって数学とか…ホントないから…!」
「でも、最近はテスト頑張ってんじゃね?
英語とかスゲーじゃん!」
「『ボスたるもの英語ぐらいできなくてどーすんだ』っつってしごかれたんだよ…」
自分と同じく補習を受けていた山本に、綱吉は愚痴を溢す。
曰く、ちょっとは手加減しろ、らしい。
「小僧はスパルタだもんなー」
「限度があるよ限度が!!」
「(…独占したいだけっていったらどんな反応するんだろーな…)」
はぁぁぁ~、と大きな溜め息を吐く綱吉の肩を慰めるように軽く叩いて、山本はできるだけ自然に、いつものように話しを変える。
「とにかくさ、今日はもう帰ろうぜ」
「あ、オレ用事あるから先帰っていいよ」
「終わるまでまってるって!」
「いや、いつ終わるか解んないし…。
それに待たせるの嫌だしさ、お願い!」
「…んー、ツナがそこまで言うならしかたないのな」
山本の脳内では「どうやってツナに悟られないよう雲雀をシメるか」が脳内会議で協議されている。哀れなり雲雀。
だがそんなことを知らない綱吉は、山本に笑顔で「ありがとね!バイバイ山本!」と言って教室から走り去って行く。
それを向けられた張本人・山本は、
「…何あの小動物…可愛すぎだろ…」
オレ、親友やっててよかった。
と、赤い顔で呟いていたとかいないとか。
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