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├┬┴┬┤応接室前├┬┴┬┤
「(うわ~、どうしよう緊張するよ~…。
でもずっとここで立ってるわけにもいかないし…うん、がんばれオレ!!)」
珍しく草壁がいない応接室の前で、ツナは「はー…」と一度深く息を吐き、応接室の扉を叩いた。
コンコン
「ヒ…ヒバリさん、沢田です…」
シーン…
ツナが勇気を出してドアをノックしたというのに、中からは全く反応がない。
「(…休みなのかな?)」と思ったツナは、悪いとは思いつつ、無断でその扉を開けた。
「ヒバリさん…?」
音をたてないよう気を配りながら中に入ると、そこには明らかに女子からだと思われるプレゼントの山・山・山。
そしてその奥に―――
「(あ…)」
スヤスヤと安らかな顔で寝ている雲雀がいた。
「(寝てる…疲れてたのかな…)」
毎日咬み殺しに言ってる上に、事務処理までして、さらには今日のような日、つまり誕生日やバレンタイン、クリスマスには女子(と、ちょっとアレな男子)に追いかけられ…疲れない方が凄いだろう。
「(…にしても大量だなぁ…)」
雲雀の前にはプレゼントの山があり、もう少しで崩れてしまいそうだ。
そしてその中には凄く高そうなもの(何万とかそれ以上とか)まである。
「(…こんなにあるし、高いのだってあるし…オレのなんていらないか)」
少し寂しそうな目で雲雀を見つめたあと、ツナは雲雀に背を向けた。
が。
「ワォ、どこに行く気だい?」
そんな声が聞こえ、思わず足を止めて振り返った。
そこには、絶対今起きたのではないと一目見るだけでわかる顔をしている、雲雀恭弥がいた。
「ヒバリ、さん…いつから?」
「最初から。君が入ってきた時からだよ」
「…無断で入ってすみません。草壁さんがいなかったんで…」
「別に悪いとは言ってないよ。
…で?君は僕に何のようがあるんだい?」
その言葉に、ツナは俯いた。
なにせ、自分はこれ(・・)を渡さないと決めたのだから。
「…顔見に来たってことにしといてください。それじゃ!」
急いで応接室の扉を開けようとすると、急に後ろへ引っ張られた。
「わっ!?」
勿論犯人はわかっている。ここには、二人しかいないのだから。
だから、やったのは―――
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