38人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヒバリさ…えっ!?」
右手を引っ張られ後ろによろめいたツナを、雲雀が体で受け止める。
そしてそのまま、空いていた左手でツナを抱き締めた。
「…それで僕が納得するとでも?」
「…ですよねー…」
最も当たり前のことを言われ、ツナはガクリと項垂れる。
「それに、君を逃がすわけないし」
「……っ///」
「本当の理由、教えてよ」
「…それは…」
「…もしかして、誕生日?」
図星を言われ、ツナは言葉を詰まらせた。
それを肯定とみなしたらしい雲雀は、左手に力を入れた。
「ヒ、ヒバリさん!?」
「プレゼント」
「…は?」
「プレゼント、あるんでしょ?」
涼やかにそう宣(のたま)う雲雀。
しかし、ツナは顔を伏せた。
「あります、けど…」
「けど?」
「あんなにあったら…オレのなんて、いらないでしょう?」
涙を堪えるように、ツナは言う。
雲雀は驚いて一度プレゼントの山を見たあと、直ぐにツナへと視線を戻した。
「なんでそんなこと言うの?」
「だ、だって…あんなに沢山プレゼントあるし、凄く高そうなものもあるし…オレの、なんて…」
…何この小動物。可愛すぎない?
どこぞの山もっちゃんと同じことを考えている雲雀の心境などいざ知らず、ツナはとうとう泣き始めてしまった。
「Σちょ、なんで泣くの!?」
「ぅ…ひっく…だ、て…ヒバリさ、なにも、いわない…ぅぅ…っく…」
「違うよ、さっきのは驚いてただけだから…っ」
「おど…っ、ろい…?」
「そんなに僕のこと思っててくれたのにね…(しかも可愛いし!)」
…雲雀さんが変態になりかけてますがそれはあえて無視して。
雲雀はツナを自分の方に向かせ、また抱き締めた。
強く、でもツナを傷つけないように。
「ヒバリ…さん…?」
「僕が欲しいのは、君からのプレゼントだけだよ…綱吉」
「え…」
「僕としては、君がほしいんだけどね」
クスリと雲雀が笑う。
天変地異の前触れかと、ツナは妙に冷静な頭で考えた。
「…今、失礼なこと考えたでしょ」
「えっ!?あ、いや、そんなことないですよ!」
「天変地異の前触れとか…」
「な、何で知って……あ」
上手く口車に乗せられたツナが、顔を青ざめる。
「(…可愛い)まぁいいや。今、僕は機嫌が良いから」
「はい?」
雲雀の言ってる意味がわからず、ツナは瞑目した。
最初のコメントを投稿しよう!