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「それで、プレゼントは?」
「あっ…はい」
体を離され、無理矢理話を逸らされた気がしなくもないが、ツナは気にしないことにして鞄から一つの箱を取り出した。
「これ…なんですけど」
長方形の細長い箱。ネックレスの類いだと、一目で判断できる。
「…開けるよ」
リボンをほどき、雲雀がその箱を開ける。
中から出てきたのは、スズランとカスミソウがあしらってある小さな円の真ん中に、丸くて小さなルビーが嵌め込んであるネックレス。
「普通は女の人にあげるんでしょうけど…なんか、ヒバリさんにあげないといけないような気がして…」
「君、この花と宝石の意味…知ってる?」
「え?あ、はい…一応…///」
それを踏まえて買ったのだから、知らないはずはない。
「そう。…なんでこの花を選んだの?」
雲雀がそう聞くと、ツナは「それは…」と言葉を濁したあと、吹っ切ったように顔をあげ、言った。
「ヒバリさんが生まれてきてくれたことの喜びと…これからの幸福を祈って、です」
雲雀は驚きで少し目を見開くと、直ぐにツナを抱き寄せる。
「ちょ、雲雀さん!?」
「…嬉しいよ。ありがとう綱吉」
ツナはチラミした雲雀の耳が赤いことに気づき、雲雀に気づかれないよう小さく笑うと、その耳元で囁いた。
「 Buon compleoo! 」
――Grazie per essere nato!
(生まれてきてくれてありがとう!)
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