プロローグ†始まりを告げる桜…

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ジリリリリリ…― 響き渡る目覚ましの音に、現実へと引き戻される。 「またあの夢だ…。」 目覚ましを止めつつ、ポツリと呟く。 誰に言う訳でもなく。 もう何度目であろうか…。この夢を見るのは。 同じ場所、同じ人、同じ内容。 繰り返し見る夢は、数カ月前から続いていた。 「ま、気にしても仕方ないか…。」 そう自分に言い聞かせ、ベットから下り、カーテンを開ける。 いつものように目の前には、緑、緑、緑の一色。 理想の田舎像とゆうものがあるとするなら、この場所がきっとそれに違いない。 小学生の時にこの村に引越してきた時には、探検などに行っていて田舎を満喫していたが、高校生となった今では、色々と不便で仕方がない。 近所のスーパーといっても歩けば二時間はかかるし、学校の帰りに店に立ち寄り、なんてものもしたためしがない。 だって立ち寄り出来るような店がない。カラオケもゲーセンもコンビニさえも電車で行かなければないのだから。 まあ、不便ではあるが、この場所が嫌いではないからいいのだが…。 せめて、近くにコンビニ位は欲しいと思う…。
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