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「ッ…ハアハアハア…。ハアハア…。」
全速力で自転車をこぎ、校門がみえてきた。こぎ続ける間、私は私に自問する
(ねえ、なんでそんなに怯えているの?)
だって声が…。
(声がしただけで、なぜそんなに怯えているの?)
私の名前を…。
(呼んだから?見えない相手だから?
違うよね?あなたがホントに怖いもの…
違うよね…?)
……違う…?どうして?何が?
(…知らないままが幸せ?
それとも…。知らないふりが幸せ…?)
自信の問いに、何か違和感を覚えた。
なにを私は言ってるの…?私は何も…
「…私は…。」
「ばかでーす。」
「ぇ…。」
振り返るとそこには、見知った顔があった。どうやら独り言を漏らした所に相槌をいれられたらしい。
「遥、何一人でぶつぶつ言ってんの?朝から頭壊れた?馬鹿が余計馬鹿になるよ?」
「美咲…。」
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