お父さん

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お父さんの話をする時 お母さんは女の子になる。 笑いながら 愛しそうに、語る。 だから僕はお父さんを憎めない。 一番近くにいたお母さんが憎まないのに 何も知らない僕が 憎めるはずがないよね。 顔だって写真でしか知らない。 会いに来たこともあるらしいけど 1歳や2歳の記憶なんかない。 特に興味はない。 知りたいとも思わない。 僕は何も望んでいないし 何も恨んじゃいない。 一番遠い他人。 だけど 一番近い、お母さんが愛した人。 だからとりあえずありがとう。 お父さん あなたが居なくても …あなたが居ないから、かもね。 僕は幸せだから。
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