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『嫌だ』
本日。否、この数分で既に二桁台を突破したであろうアムロの一言に、コウとクリスは互いに顔を見合わせて、やはり数分でかなりの数になった溜め息を吐いた。
アムロの気持ちはものすごく、判る。寧ろ、この二人もアムロと同じ気持ちだった。
『で、でも、アムロ・・・』
何時もの紺色ジャンパーを羽織ったコウはかなり困った顔でアムロの説得に取り掛かる。横のクリスは肩を竦め、手元の携帯情報端末を操作していた。
可笑しな事に、クリスは何時ものアナハイム社の制服ではなく、コウと揃いの紺色ジャンパーを羽織っていた。
――連邦軍の支給品を、である。
ついでに、三人が居るのは同じシャイアン基地内ではあるが、何時も集まるグリーンスペースではなく、MS収納用の格納庫に集合している。
何故こんな場所に居るのか?
前置きや理由等々長いのを全てすっ飛ばし、目的だけ云うならば。
――実際に白き流星が戦う場面を見たい。
と、某高官の孫が云いだした為である。
何でも、メディアが頻繁に流していた一年戦争時のアムロの戦いっぷりを特集だか何かで見て、ファンになったからだそうだ。
そして、その栄えある(?)相手役に選ばれたのが、コウ・ウラキ少尉なのだ。因みに、サポート全般を担当するオペレーターにクリスが入る事になっている。
二人が選ばれた理由は幾つかはある(らしい)が、一番の理由は
"アムロと仲が良いから"
と云う事かららしい。
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