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『コウとクリスには悪いが、俺は乗らないからな』
アムロはそう断言し、格納庫から出ようとした。
が、入口に居た基地司令官を視界にいれ、足を止める。
司令は何やら難しい表情をしたままアムロに近付き、手にしていた手紙を無言で差し出した。
アムロは一瞬拒絶するかの様に眉を顰めるが、まさか司令自ら持ってきた物を無視する訳にもいかず渋々と云った様子で手紙を受け取った瞬間。
アムロの気配――プレッシャーがほんの数秒間、恐ろしいものへと変貌した。
間近でそれにあてられた司令は慌てて格納庫から出ていき、コウとクリスはアムロに駆け寄る。
素早くアムロの手から握り潰された手紙を引き抜き、中を読んだクリスは小さく息を呑んだ。
『コウ、これ・・・っ』
わなわなと、怒りに震えるアムロをどう宥めようかと考えていたコウは、促されるまま手紙に目を通す。が、コウは半分も読まないうちに手紙からアムロに視線を移していた。
二人に注目されたアムロは、長い長い溜め息ののちに、こう宣言した。
『乗るよ・・・MS。もう、アレックスでもゼフィランサスでもジムでもザクでもドップでも、何でも来いよ・・・』
奥に向かう背中がまだ怒っている事を確認したコウは慌てて追いかけ、宥めすかし始める。
そんな二人を眺めながらクリスはボソリと呟いた。
『・・・ドップって・・・MSじゃないわ・・・』
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