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朝。目が覚めて、ぼんやりした視界に映ったのは、なぜか赤面した剛だった。
「ぷっ。ゆでダコ」
「へ!?」
「耳まで真っ赤だぞ」
「うっ起きてたんだ…」
恥ずかしがりながら、目を泳がす剛。
それを笑みを浮かべて眺める。
「な、何?」
「かわいいな。お前」
「はぃ!?」
俺の言葉にいちいち反応して、すぐ赤くなって。
何だろうなぁ…かわいくて仕方ない。
「からかわないでよ!……ん?」
突然剛がハッとしたように表情を変えた。
「今何時!?朝練…!」
起き上がろうとする剛の腕をぐっと掴む。
「まだいいだろ」
「……え?」
振り向いた剛を真剣な顔で見つめ、掴んだ腕を引き寄せた。
「ここにいろ」
「…うん」
ぎゅっと抱きしめて、しばらくそのまま離さなかった。
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