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剛を抱き上げて、寝室に連れていく。
ベッドに降ろし、覆い被さった。
「ちょっ、落ち着こうよ!來斗さん!」
「お前が落ち着け」
相変わらず騒がしいな。
「こ、心の準備がさ…!」
「何言ってんだよ。お前から誘ったくせに」
「誘ってな…!あっ」
ズボンの上から触れると、声が上がる。
それを聞いてニヤリと笑った。
「キスだけで勃たせてるのは誰だよ」
「そ、それは…」
真っ赤になりながら口ごもる剛の頬に片手を添える。
「不安になる必要なんてないよ。何も心配いらないから、俺に任せて」
「……」
不安げな瞳と目が合う。
薄暗い部屋でも剛の表情ははっきり分かる。
「もう限界なんだ。お前が欲しい」
ギュッと抱きしめて、気持ちをぶつけた。
「來斗さん…」
好きだから、触れたい。
こんな単純なことを、こんなに苦しいくらい思ったことがあっただろうか。
やがて強張っていた剛の身体から、少しずつ力が抜けていくのが分かった。
「俺も…來斗さんが欲しい」
掠れた声が耳元で甘く響いた。
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