オオカミ少年の生い立ち
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十八年前の春、信(まこと)は加賀山家の久々の子供として生まれた。 二人の姉たちとは十歳以上も離れていた。 物心ついた頃から母親は病床についていた。 信の家はかなり裕福だったので、信は母親というものは家事をしないものだと思い込んでいた。 ただ、母親の体調が特に良い日にクッキーやケーキを焼いてくれることがある。信はそのクッキーやケーキが大好きだった。
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