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「次に大脱走班だが、この班は脱出ルートの確保に当たってもらう。そしてルートに使うのは、体育館倉庫だ。」
ちなみに、始業式は体育館で1、2、3年合同で行う。
そしてこの体育館がまたやたらと広い。
まあ全校で1000人近い人数が入るのだから妥当な広さか…
2階には観客席まで設置されている始末だ。
「…文弥に質問があります。」
「何だね望君。」
「…なぜ体育館倉庫を使うのでしょうか?」
確かに望の言う通りである。
非常口とかそっちを使うほうが安全で迅速に動けるはずだし、他にも出口は色々ある。
「いい質問だ。これには2つ理由がある。
まず一つ目、今回我らは体育館倉庫の窓から脱出するつもりだ。そしてここから脱出する場合、最も校舎に近い位置に出られる。正面玄関は使えないし、他の出口は校舎から離れたところに出てしまうしな。これでは校舎へ逃げ込むのに危険すぎる。
そして2つ目、これは資材が豊富にあるということだ。2人にはこの資材を使って、俺達真実の瞳班の逃走中のサポートに当たってもらいたい。
さて質問は以上か?」
成る程、文弥はこういうことに関しては徹底的だからな…
「では真実の瞳班の具体的な作戦についてだが…
こいつと真に頑張ってもらう。」
文弥はそう言ってベランダに出ると、ピィーと指笛を吹いた。
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