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春の早朝。
外では小鳥達がおはようと囀っている。
春眠暁を覚えずとはよく言ったもので、俺も例に漏れる事なく春眠を貪っていた。
『~~~♪』
…訂正
どうやら暁を覚えさせてはくれないらしい。
俺は携帯電話の着信音で目が覚めた。
この着信音は…
幸彦か…?
ねみーんだよちきしょーと心の中でぼやきながら、枕元にある携帯を取って通話ボタンを押す。
「…こちらアンパ〇マン、本日の営業は朝9時からとなっております。ご用の方は…」
『よー真、寝てたのか』
真(マコト)というのは俺の名前だ。
ちなみに名字は本多(ホンダ)
俺の華麗なる言い訳を無視しながら、電話の向こうにいると思われる俺の悪友の一人、宮川幸彦(ミヤガワユキヒコ)が話し掛けてくる。
つか、こんな時間なら普通のヤツは絶対寝てると思うぞ…?
「………で、こんな時間から何の用なんだ?」
まだ明るくなりたての時間じゃないか。
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