始業式

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メールにはこう書かれていた。 『教頭の頭皮について真実を知りたい者は、本日7時に教室に集合せよ』 ………………教頭の頭皮ってアレだよな? 教頭の頭を見た人なら多分皆気付くと思う。 そう、ヅラだ。 本人は恐らくうまく隠してるつもりなんだろうけどもな… 誰が見ても一発で気づくと思うんだ。 「…行くか、行こう、行くしかない!」 我ながら見事な三段活用だと思う。 くるまっていた布団を跳ね退け、準備を始める そういや制服に身を通すのは久々だな。 なんたって春休みだったし。 そして今日は始業式なワケである。 楽しい始業式になりそうだ。 思わずにやけてしまった頬を両手でパンと叩く。 「さあ行こうかね。」 準備を済ませ、戸締まりを確認してアパートを出る そのままアパートの小さなガレージにとめてあるバイクに鍵を差し込み、ひねる。 クククッとスターターがまわり、エンジンがかかった。 異常無しっと。 よっし、じゃあ出発進行ってね。 そして俺は、まだ早朝の面影を残す町並みへと走り出した。
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